ティーカップの正しい持ち方|美しいマナーと上品に見せるコツを徹底解説

氷入りアイスティーと野花のナチュラルなテーブル
紅茶の文化

ティーカップの持ち方は、意外と人の印象やマナーを左右する繊細な所作のひとつです。

「正しい持ち方が分からずに、いつも自己流になってしまう」「人前で恥をかかないか心配」と感じている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、ティーカップの持ち方を美しく見せるコツやマナー、シーンごとのポイントまで分かりやすく解説します。

正しい知識を身につけて、自信を持って振る舞えるようになりたい方は、ぜひ続きをご覧ください。

ティーカップの持ち方を美しく見せるためのポイント

ハーブティーと焼き菓子のナチュラルティータイム

ティーカップを美しく持つことは、相手に上品な印象を与えるために大切です。

ちょっとした仕草や手の使い方で、ティータイムをよりエレガントに楽しむことができます。

正しい持ち方を知っていると自信を持って振る舞うことができるので、ぜひポイントを押さえてみましょう。

持ち手(ハンドル)をつまむ手の形

ティーカップの持ち手は、親指と人差し指で軽くつまむように持つのが基本です。

このとき、持ち手を包み込んだり、握りしめないように注意しましょう。

柔らかく指先だけで持つことで、手元がすっきり見えて上品な印象になります。

カップの重みを感じながらも、力まずに自然体を意識するときれいに見えます。

使う指の選び方

持ち手をつまむ際に使うのは、主に親指と人差し指です。

多くの場合、他の指は軽く曲げてカップの下側や持ち手の下にそっと添えるようにします。

  • 親指:持ち手の外側から軽く押さえる
  • 人差し指:持ち手の内側に通して支える
  • 中指:場合によっては持ち手の下でカップをサポートする
  • 薬指・小指:軽く曲げて手を自然に見せる

小指を立てるのはマナー違反とされているので注意しましょう。

持ち方による印象の違い

ティーカップの持ち方一つで、与える印象が大きく変わります。

下の表に、主な持ち方による印象の違いをまとめました。

持ち方 与える印象
指先でつまんで持つ 上品・洗練されたイメージ
指を全て使って握り込む カジュアル・やや雑な印象
小指を立てて持つ 作為的・マナーにこだわりすぎた印象

場面や用途に合わせて、最適な持ち方を心がけることが大切です。

よくあるNGな持ち方

ついやってしまいがちなNGな持ち方にも気をつけましょう。

よく見られるのは、持ち手をギュッと握りしめたり、カップ本体を手のひら全体で包み込んでしまう持ち方です。

また、小指を目立つように立てたり、カップの外側に指を広げるのも避けたいポイントです。

これらはエレガントさを損なうだけでなく、カップを落としやすくなる原因にもなります。

日常使いでも、ちょっとした仕草の違いがあなたの印象を大きく左右します。

ティーカップを片手で持つ場合

基本的にはカップのハンドル部分を片手で持つ形が一般的です。

飲むときはもう一方の手はお皿(ソーサー)に添えると、よりエレガントな所作になります。

立食パーティーや片手がふさがっているときは、カップだけを片手で持つ場合もあります。

その際も、指先で軽く持ち上げ、無理に力を入れないことがポイントです。

姿勢をまっすぐにし、肩肘張らず自然体を心がけましょう。

両手を添える場面

ティーカップが熱い場合や安定性を保ちたい場合、またはフォーマルな席でソーサーごと持ち上げる場合に、両手で持つことがあります。

一方の手でカップの持ち手を持ち、もう一方の手はソーサーを支えるように添えると丁寧な印象になります。

緊張して手が震えるときや、おもてなしの席できちんとした所作を見せたい場合にも安心です。

ご高齢の方や小さなお子様の場合も、安定して安全に飲むことができます。

場面に応じて使い分けると、さらに美しい所作が身につきます。

ティーカップの持ち方で意識すべきマナー

ティーポットと透明グラスに入った紅茶

ティーカップを上品に持つことは、お茶を楽しむ際の大切なマナーです。

取っ手の使い方や指の添え方を正しく意識することで、相手にも好印象を与えることができます。

また、場面ごとにふさわしい所作を身につけることで、より洗練された振る舞いになります。

小指を立てない理由

ティーカップを持つときに小指を立ててしまう方もいますが、これは正式なマナーではありません。

もともと小指を立てる仕草は、貴族の間で流行していたとされるものですが、現代ではむしろ品よく見えないとされています。

小指を立てると、周囲から自分を誇示しているように受け取られたり、不自然な印象を持たれることがあります。

ティーカップの正しい持ち方は、親指と人差し指で取っ手をつまむようにして、中指を軽く下に添える形です。

間違った持ち方 正しい持ち方
小指を立てている 小指は自然に曲げて取っ手の下に添える
手全体で握り込んでしまう 親指・人差し指でやさしくつまむ

ハンドルの向きのマナー

ティーカップの取っ手は、使いやすい向きに整えることが大切です。

自分の方に取っ手が向いていない場合は、ティーカップを静かに回して向きを整えましょう。

  • 右利きの方は、取っ手を時計の3時の方向に持ってくる
  • 左利きの方は、9時の方向に調整
  • 回す際は、カップをソーサーから持ち上げず、そっと回す

また、カップを置く際には取っ手の位置を元に戻す必要はありませんが、周囲の邪魔にならないよう意識しましょう。

飲み始めと飲み終わりの対応

お茶を飲み始める前には、カップのハンドルに指を添え、自然な姿勢で持ちます。

飲む際には、カップだけを持ち上げる場面と、ソーサーごと持ち上げる場面がありますが、テーブルが遠い場合や立食であれば、ソーサーも一緒に持ち上げるのがマナーです。

飲み終わったら、カップはソーサーの中央に戻してください。

カップの取っ手は、テーブルの外側(時計の3時方向)に向けて置くのが一般的です。

ナプキンを使った場合は、テーブルの上に軽くたたんで置きましょう。

シーン別で異なるティーカップの持ち方

ハーブティーと焼き菓子のナチュラルティータイム

ティーカップの持ち方は、シーンごとに少しずつマナーが異なります。

どのような場面でもきれいに見える持ち方を知っておくと、より一層上品な印象を与えることができます。

フォーマルな場、カジュアルな場、そしてカフェやレストランなど、その場に合った持ち方を覚えておくと安心です。

フォーマルな場での持ち方

フォーマルな場では、ティーカップを指先で優雅に持つことがマナーとされています。

カップの持ち手に親指と人差し指、中指を軽く通し、他の指は軽く添えるようにします。

決して持ち手に指を全部通しきったり、手全体で握るように持つのは避けましょう。

飲むときは背筋を伸ばし、ソーサー(受け皿)は必ず左手で持ち、そっと口元に運ぶのが基本です。

ポイント 注意点
指先を揃えて持つ 無理に指を広げすぎない
ソーサーを一緒に持つ カップだけを持ち上げない

カジュアルな場面での持ち方

カジュアルな場や自宅、友人とのティータイムでは、厳密なマナーにこだわりすぎる必要はありません。

持ち手に指を通し、リラックスしてカップを持って構いませんが、乱暴にならないように注意しましょう。

カップの厚みにもよりますが、親指と人差し指で持ち手を挟み、中指で下から支える形が安定します。

  • 片手で気軽に持ってOK
  • ソーサーはテーブル上に置いたままでも構わない
  • カップの縁に口紅が付いた場合は気を付ける

ちょっとした気遣いで、カジュアルな雰囲気でも好印象を与えることができます。

カフェやレストランでの持ち方

カフェやレストランでは、フォーマルとカジュアルの中間を意識した持ち方がおすすめです。

カップの持ち手を親指と人差し指で挟み、中指で支えながら持ちます。

ソーサーは置いたままでも良いですが、カウンター席や狭いテーブルの場合は、必要に応じてソーサーも一緒に持つと丁寧です。

店の雰囲気や周囲の人を観察して、その場所に合った持ち方を選びましょう。

また、店のティーカップによって持ち手の形や大きさが異なる場合もあります。その際は無理せず、手にフィットする持ち方がベストです。

ティーカップの持ち手の向きによる違い

ガラスティーポットに入った温かい紅茶

ティーカップの持ち手の向きには、国や文化によって違いが見られます。

持ち手の向きを意識することで、ティータイムの所作がより美しくなります。

また、正しい持ち方を知っておくと、フォーマルな場でも堂々とふるまえるでしょう。

イギリス式の持ち手の向き

イギリス式ではティーカップの持ち手を時計の3時の位置に合わせて持つのが基本です。

カップの向きを整えたら、親指と人差し指で持ち手の上部を軽くつまみ、中指で下を支えます。

この時、小指は自然に伸ばすことが多いですが、無理に立てる必要はありません。

ポイント 詳細
持ち手の位置 時計の3時の方向
指の使い方 親指・人差し指・中指で持つ
小指の位置 無理に立てず自然に

イギリスのアフタヌーンティー文化では、この持ち方がエレガントな所作とされています。

アメリカ式の持ち手の向き

アメリカ式のティーカップの持ち方は、イギリス式ほど厳密な決まりがありません。

持ち手の向きにこだわらず、自分の持ちやすい方向に合わせるのが特徴です。

  • カップの持ち手を手前やや右側に向ける場合が多い
  • 全ての指でしっかり握る持ち方も一般的
  • 肩の力を抜いてリラックスしている雰囲気が好まれる

フォーマルよりカジュアルな場でよく見られるスタイルです。

気軽なティータイムやホームパーティーなどで多く採用されています。

日本で一般的な持ち手の向き

日本では、ティーカップの持ち手を自分から見て右側(3時~4時方向)に向けて持つ人が多いです。

これは右利きが多いという理由と、日本独自のテーブルマナーが影響しています。

指の使い方も気をつけながら、次のポイントを意識するときれいに見えます。

向き 理由
右側(3時~4時方向) 右利きの人が持ちやすいから
指の配置 親指・人差し指で持ち手を挟み、中指で下を支える

日本ではカップ&ソーサーとセットで使うことが一般的なので、取り扱いも丁寧に行う意識が根付いています。

軽く持ち手をつかむことが品良く見えるポイントです。

ティーカップの持ち方で押さえておきたい大切なこと

木製コースターに乗せたガラスの紅茶カップ

ティーカップの持ち方を正しく身につけることで、より優雅なお茶の時間を楽しむことができます。

これまでご紹介してきた持ち方のポイントやマナーを意識することで、相手に美しい印象を与えることができるでしょう。

また、ティーカップを丁寧に扱う気持ちが、周囲との素敵な会話や心地よい時間につながります。

自分の手に馴染む持ち方を実践しつつ、基本的なマナーも押さえておくことが大切です。

ぜひ今日から、お気に入りのティーカップで洗練された持ち方にチャレンジしてみてください。

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